日経平均5日ぶり反落 円高進行で輸出関連株に売りがでました。
TOPIX14日ぶり下落。
下げ幅は少しですが、
材料出尽くしで、頭が重い展開になるかもしれません。
特集では、文化シヤッター(5930)さんを
とりあげました。
1955年創業で歴史ある会社であります。
失礼ながら、地味な事業ではありますが、
高度経済成長、バブル景気、失われた30年と
修羅場を乗り越えられてきました。
株価2194円は、年初来高値です。
記事後半で深ぼっていきます。(スライドつき)
- 日本市況
- セクター別分析
- 為替市場
- 明日の展望
- 文化シヤッターの歴史と概要
- 事業内容
- 文化シヤッター株式会社
日本市況
2025年5月14日の東京株式市場では、
日経平均株価が前日比55円13銭(0.14%)安の3万8128円13銭と
5営業日ぶりに反落して取引を終えました。
TOPIXも前日比8.85ポイント(0.32%)安の2763.29と
14営業日ぶりに反落しました。
日経平均は朝方、
前日の米国株式市場でハイテク株が堅調だったことを受けて高く始まり、
一時142円高まで上昇する場面もありました。
しかし、前日までの4連騰による過熱感や、
為替市場での円高進行が嫌気され、
次第に利益確定売りが優勢となりました。
下げ幅は一時330円を超える場面もありましたが、
引けにかけて下げ渋る展開となりました。
東証プライム市場の売買代金は5兆4483億円と膨らみ、
値上がり銘柄数は570、
値下がり銘柄数は1033となりました。
セクター別分析
上昇セクター
半導体・ハイテク関連前日の米国市場で
フィラデルフィア半導体指数(SOX)が3.15%上昇したことを受け、
アドバンテストや東京エレクトロンなど半導体関連株が堅調に推移しました。
特に朝方は買いが先行し、
相場を支える展開となりました。
銀行・証券金融セクターも堅調で、
銀行や証券は33業種中の上昇業種に含まれました。
鉱業資源関連の鉱業セクターも値上がり業種の一つとなりました。
個別銘柄ソニーグループは決算発表と自社株買いが好感され大幅高となりました。
また、
ソフトバンクグループも前日発表の決算が好感されました。
ネクソンは13%超の大幅上昇を記録し、
ディスコやフジクラも堅調でした。
下落セクター
輸送用機器為替市場での円高進行を受け、
トヨタ自動車をはじめとする自動車株など輸出関連銘柄が下落しました。
採算悪化への懸念が売りを誘いました。
医薬品・精密機器医薬品セクターや精密機器セクターも下落業種に含まれました。
繊維製品繊維製品セクターは下げ幅を拡大する展開となりました。
個別銘柄トヨタ自動車や第一三共は大幅安となりました。
ファーストリテイリングも軟調な展開となり、
安川電機は5%超の下落となりました。
為替市場
14日の外国為替市場では円高が進行しました。
ドル/円相場は一時1ドル=146円台後半まで円高・ドル安が進み、
前日の米中貿易交渉による円安の流れが一服しました。
米国のインフレ指標が市場予想より低く出たことでドル売りが優勢となり、
また米中の関税交渉を受けてアメリカの関税措置をめぐる警戒感が和らいだことも
円高要因となりました。
市場では日銀が追加の利上げに動きやすくなるとの見方も出ています。
ユーロ/円相場も円高方向に振れ、
輸出関連株を中心に投資家心理の重しとなりました。
明日の展望
明日の市場では、
短期的な過熱感の調整が一巡するかどうかが注目されます。
25日移動平均線からの乖離率や
プライム市場の騰落レシオが過熱感を示唆している中、
テクニカル面からの調整が続く可能性もあります。
為替市場の動向も引き続き重要で、
円高傾向が続けば輸出関連株への売り圧力となる可能性があります。
一方で、米国のハイテク株や半導体関連株の動向も引き続き注目され、
これらの銘柄が堅調に推移すれば、
国内市場の下支え要因となりそうです。
また、米FRB関係者の発言や経済指標の発表にも注目が集まります。
ジェファーソン米FRB副議長の発言や、
ウォラーFRB理事の講演など、
金融政策の方向性を占う材料として市場参加者の関心を集めそうです。
文化シヤッターの歴史と概要
2025年5月14日時点の終値は2,194.0円でした。
文化シヤッターは、
1955年に浅草で創業しました。
以来、各種シャッターをはじめ、
ビル用建材、住宅用建材を製造・販売する総合建材メーカーとして
事業を展開しています。
文化シヤッターグループ(BXグループ)は、「ライフ・イン」と
「ライフロング・パートナーシップ」の2つのコンセプトのもと、
生活者視点での製品提供とアフターメンテナンス体制の構築に努めてきました。
企業理念として、「常にお客様の立場にたって行動する」
「優れた品質で社会の発展に貢献する」「積極性と和を重んじることで、
日々前進する」の3つを掲げています。
また、「快適環境を創造する」という企業理念も示されています。
同社の強みは、
独創性、そして独自価値ある製品・サービスを社会に提供する「技術開発力」、
総合的な試験・検証施設「ライフイン環境防災研究所」
での試験・検証を行う「研究検証力」、
高い「施工力」、そしてこれらを支える「人材力」の4点です。
全国にサービス拠点を持ち、
24時間365日受付の修理体制と保守点検によるアフターサービスを提供しています。
シャッター業界においては、
三和シャッターに次ぐ業界第2位の立ち位置を長く守っています。
事業内容
シャッター関連製品事業
建物の防火区画や出入り口に使用される重量シャッター、
住宅ガレージや店舗向けの軽量シャッター、
住宅用サッシの内外に設置する窓シャッターなど、
各種シャッター製品を提供しています。
建材関連製品事業
集合住宅向けドアや防火用ドア、
病院・福祉施設向け引き戸や折れ戸、
学校・オフィス向けパーティションなどのビル用建材、
手すりや屋外階段などの住宅用建材を提供しています。
サービス事業
子会社を通じて、
各種シャッターの修理・保守点検を行っています。
リフォーム事業
ビルリニューアルや住宅向けリフォームを請け負っています。
その他
上記以外にも、
止水事業、
太陽光発電システム事業、
不動産賃貸事業、
保険代理店事業、
建築設計事業などが含まれます。
近年は、
太陽光発電システムの架台と基礎の製造販売や止水ドアなど、
時代のニーズに合った新しい事業も展開しています。
2025年3月期の連結業績(実績)
2025年3月期(2024年4月1日~2025年3月31日)の連結業績は以下の通りです。
売上高
228,419百万円(前期比 3.3%増)
営業利益
14,726百万円(前期比 1.8%増)
経常利益
14,777百万円(前期比 △7.3%減)
親会社株主に帰属する当期純利益
13,158百万円(前期比 24.4%増)
1株当たり当期純利益
184.95円
包括利益は14,218百万円(前期比 △1.5%減)でした。
2025年3月期の連結業績は、
2025年2月6日発表の従来予想と比較して、
売上高(230,000百万円予想)、
営業利益(15,000百万円予想)、
経常利益(15,400百万円予想)、
親会社株主に帰属する当期純利益(13,200百万円予想)、
1株当たり当期純利益(185.51円予想)はいずれも下回りました。
しかし、
年間配当は従来予想の64円から74円に増額されました。
2026年3月期の連結業績予想と配当予想
2026年3月期(2025年4月1日~2026年3月31日)の連結業績予想は以下の通りです。
売上高
240,000百万円(前期比 5.1%増)
営業利益
16,800百万円(前期比 14.1%増)
経常利益
16,500百万円(前期比 11.7%増)
親会社株主に帰属する当期純利益
11,500百万円(前期比 △12.6%減)
1株当たり当期純利益
161.62円
年間配当は、
中間配当37円、
期末配当37円の合計74円を予定しており、
連結配当性向45.8%を目安としています。
配当については、
持続的な利益確保による安定した財務基盤の維持と
株主への安定配当の継続を念頭に、
業績を勘案して決定する方針であり、
連結配当性向40%を目安としています。
2025年の建設業および文化シヤッターの事業環境見通し
2025年の日本株の有望業種に関する分析では、
建設業が有望な業種の一つとして挙げられています。
建設業は、値上げの進捗と選別受注の効果が本格化することが
良い評価の要因とされています。
文化シヤッターグループを取り巻く建設・住宅業界においては、
非住宅投資は引き続き堅調に推移することが見込まれる一方、
住宅投資は住宅価格の高騰により軟調に推移すると見込まれています。
2024年問題の本格化やエネルギー価格・輸送費の高騰など、
様々な景気下振れリスクも排除できず、
先行きは依然として不透明な状況が続くと予想されています。
文化シヤッターの2025年3月期は増収増益(ただし経常利益は減益)で着地し、
配当は増額されました。
2026年3月期は増収増益を見込んでいますが、
純利益は減益予想となっています。
建設業界全体としては有望視される見方があるものの、
住宅投資の軟調さやコスト高などの不透明要因も存在します。
僕としては、うまく価格転嫁が進み、
消費者から受け入れられれば、
業績は良い方向に向かうのかなと思います。